最近AIでアイデア出しをしていて、なんだかどこかで見たような「既視感のある企画」ばかり出てくるなと感じたことはありませんか。
実はイーロン・マスクが新しい事業を立ち上げるとき、凡人とは全く違う脳内の思考プロセスを使っているらしいのです。
彼が実践しているのは、前例から考えるのではなく、科学的に「これだけは確実に本当だ」と言える事実(Truth)から逆算してビジネスを作る方法です。
#これこそがイノベーションの出発点
例えば、脳とコンピューターをつなぐ「ニューラリンク」という突飛な事業があります。
イーロンは、人間が目や耳から脳に取り込める情報スピードが毎秒数百ビットなのに対して、文字入力などで脳から出力するスピードは毎秒数十ビット程度しかないという絶対的な事実に着目しました。
もし将来AIが人間の知能を超えたとき、この「出力の遅さ」のせいで人類はAIに追いつけず、主導権を奪われてしまうと考えたわけです。
体感として、スマホのフリック入力をしていて「もっと早く頭の中を文字にできたらいいのに」とイライラすることがありますが、まさにそれが人類存亡の制約になっているという指摘です。
単に障害者を助ける医療機器というだけでなく、人類がAI時代に生き残るための必須ツールとしてこの事業を定義しているのが、本当にすごい視点だなと感心してしまいました。
#視点のスケールが違いすぎる
もう一つの事例である、地下トンネルを通す「ザ・ボーリング・カンパニー」も非常に合理的です。
都市の渋滞問題に対して、多くの人は「空飛ぶ車」や「自動運転の普及」を考えがちですが、イーロンは地上の道路網ではいくら自動運転になっても移動コストが安くなれば利用者が増えて結局また渋滞すると見抜いていました。
さらに空飛ぶ車は、落下リスクや騒音の観点から社会に受け入れられにくいという本質的な課題もあります。
そこで彼が目をつけたのは、3次元の広がりを持てる地下空間でした。
地下は横に何本トンネルを掘っても深さによるコスト負担は変わらないという事実に注目したのです。
さらに、トンネルの直径を2車線分から1車線分にぐっと狭めたり、掘削と同時に壁面の補強を進めることで、掘削コストを従来の10分の1に削減できるという具体的な勝算を導き出しました。
多くの人が「トンネルを掘るなんて莫大な予算がかかるから無理だ」と諦めるなか、物理法則と徹底的なコスト計算から「実はやれる」と確信して投資を決断しているのが非常に面白いですよね。
#これだけは確実に本当だと言える事実から積み上げる
私たちはついつい他社の成功事例を真似して新しい企画を考えようとしますが、前例のないイノベーションを起こすときは過去のデータは役に立ちません。
確固たる自信を持ってプロジェクトを進めるためには、まずは絶対に揺るがない「Truth」を自分で見つける必要があります。
そこで、イーロン・マスクのこの思考回路を再現するための面白いAIプロンプトが紹介されていました。
もし手元に温めている新規事業のアイデアがあれば、まずAIにその内容を入力した上で、以下の問いかけを投げかけてみるのがおすすめです。
まずは「このアイデアの唯一無二の価値を作るために、これだけは確実に本当だと言える科学的な事実(Truth)を発見して」とAIに聞いてみます。
そして「その事実を使ってアイデアの価値をロジカルに説明し、アイデア自体を再定義して」と深掘りします。
さらに「その事実が本当に正しいかを証明するための実験方法を提案して」と具体化させていきます。
これだけで、一見すると荒唐無稽に見えるアイデアの「本質的な強み」がどこにあるのかがクリアになっていきます。
#次に致命的なリスクを潰すステップに入ります
価値が定義できたら、今度は「このアイデアを実現不可能にする致命的なリスクを抜き出して」と弱点を探ります。
そして「そのリスクを確実に解消するために、これだけは確実に本当だと言える事実(Truth)をリスクごとに見つけて」と解決のヒントを求めます。
最後に「その事実を使って、具体的にどうやってリスクを解消するのかロジカルに説明して」と問いかけます。
この一連のやり取りをすることで、ただの思いつきだったアイデアが、一気に「実行可能なビジネスモデル」へと昇華されていくのです。
もちろんAIが勝手に素晴らしい投資判断を下してくれるわけではありません。
しかし、人間側のブレインストーミングを前に進めるための強力な呼び水として、このイーロン風の思考フレームワークは非常に強力なツールになります。
今度ChatGPTやGeminiを使うときに、この「イーロン・マスク再現プロンプト」をコピペして試してみようと思います。